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土漠の花(月村了衛 著)
墜落したヘリの捜索救助に出動
ソマリアの海賊対処行動に従事するジブチの自衛隊活動拠点に、墜落した有志連合海上部隊の連絡ヘリ捜索救助要請が入りました。
本来ならアメリカ海兵隊が出動するべき事案なのですが、折しも武装勢力の討伐作戦、海賊対処任務が重なり人員が割けず、自衛隊に連絡が回ってきたものでした。
人道的見地から捜索救助任務への出動を決めた自衛隊は、直ちに陸上自衛隊第一空挺団から捜索救助隊を編成、救助活動に必要となりそうな装備を整え出発しました。
捜索救助活動中に事件が
現場は活動拠点から約70キロの地点。軽装甲機動車2台、高機動車1台に分乗した12名の隊員が任務にあたります。
墜落地点の岩稜地帯でほどなくヘリは発見されました。しかし、岩と岩の間に挟まるように墜落しており乗員はすでに死亡。ヘリの回収作業に時間がかかるため、野営を余儀なくされました。
その日の真夜中、野営地に命を狙われているという女性が助けを求めて駆け込んできました・・。
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任務外の行動になる・・
助けを求める女性の話によると、ソマリアの氏族間の争いで一方的な虐殺を受け、命からがら走り通して逃げてきたというものでした。自衛隊はいかなる際も他国の紛争に介入することは許されません。女性を保護すれば、追ってくる氏族と戦闘になることも容易に想像できます。
判断を迷う彼らのもとへ、女性を執拗に追ってきた武装集団が問答無用で牙をむいて襲い掛かってくるのでした・・。
守るべきものは何か・・?
命を懸けた自衛官の戦いが始まります。女性の命を守ることは、自分たちの国を守ることでもありました。戦闘経験もなく救助もなく完全に孤立した彼らは自力で活動拠点まで戻るしかありません。
武装勢力の執拗な追撃、数々の試練、窮地。何のために命を懸けて見知らぬ地で戦うのか・・。守るべきものとは一体何なのか・・。
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自分たちが平和なら目を背けてもいいのか?
この物語の舞台はソマリアの地で、内戦(氏族間抗争)を題材にしていますが、現実に今も世界では戦闘、戦争が各地で絶え間なく行われています。様々な思惑や利権が複雑に絡まって、戦争当事者の誰もが正義、自由、開放を謳っています。
しかし、戦争行為で犠牲になるのは決まって当事者(首謀者、先導者)ではなく、戦うことなど望みもしていない平民(国民)たちです。今も起こっている戦争は、それぞれがいったい誰の利益のために行われているのでしょうか・・?
土漠の花の自衛官も「戦闘行為のない安全地帯への派遣」という政府のたてまえによって派遣されていました。「戦闘行為がない」「安全地帯」は誰が決めて判断したのでしょう・・?
この小説は様々な問題提起をしています。同時に日本人の誇りも見事に描いています。まだこの国も何とかなる、何とかしなければ・・と思わせてくれる小説です。
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