孤猿 ~嶽神伝~(長谷川卓 著)
嶽神伝 豪華メンバー出演第4幕 孤猿
シリーズ第4幕となる「孤猿」・・豪華な顔ぶれが勢ぞろいするムチャクチャ嶽神伝らしい物語が展開します。山の民、サムライ、忍者、入り乱れての大活劇。山の暮らしは大忙しです。
1551年、北条の忍び「風魔」を束ねる北条幻庵の屋敷から物語は始まります。本当にこの方達は何だかんだで平和に暮らしたいだけの山の者を放っておいてはくれないようです・・。
今作の豪華メンバーご紹介
孤猿に出演される豪華なメンバーの方々をご紹介します。通称「山の者」からは小暮衆の無坂、息子で久津輪衆となる龍五、巣雲衆から弥蔵、四三衆の月草、軒山衆の真木備、そして南稜七ッ家の二ッ。
とんでもなく強いのが二ッ。やっぱり強いのか!というのが龍五。戦闘シーンは少ないのですがすっごく強いんだろうというオーラがにじみ出てるのが弥蔵です。
歴史上の名だたる方々からはこちら。
「武田家」 武田晴信(信玄)、春日源五郎、山本勘助、忍び精鋭「かまきり」
「長尾家」 長尾景虎(上杉謙信)、忍び精鋭「軒猿」
「北条家」 北条幻庵、忍びの精鋭「風魔」
「今川家」 太原雪斎
「松平家」 松平竹千代(徳川家康)
「織田家」 織田信長、木下藤吉郎(豊臣秀吉)
「有名忍者」 飛び加当、伊賀者の鶴喰
ものすごく贅沢なメンバーが勢ぞろいしてくれました。これはうれしいです。読み応え十分!
前作の因縁が今作の大きな火種
平和に暮らさせてあげたい・・こんな願いが届くはずもなく、前作「無坂」の因縁が大きなトラブルを巻き起こします。その混乱に乗じて武田家、長尾家、北条家の忍びが動き出します。山の者の因縁が里の戦を誘発するように大きな災いの輪となって、織田家までもが忍びを雇い放ちます。
誰が誰を狙うのか、誰が味方で誰が敵か、入り乱れての大混戦に発展していく様相は、もう山での平和な暮らしなんて無理なんじゃないのかな・・と悲しくなります。
こんな状態に終止符を打てるのは、伝説の「嶽神」だけなんでしょうね。はやく登場してもらって山に平和を取り戻してほしいです。
最後にあの人も登場!
何とかなったようなならないような展開で怒涛のクライマックスを迎える今作ですが、ここで前作から物語の大きなカギとなっている小夜姫が、まさかの「あの人」と出会います。いや、これは驚きました。ここで登場してきたか!と大興奮してちょっと感慨深く感動してしまいました。
今作、孤猿は大忙しの展開ですが、山の者の強さ、結束、仁義、掟、という観点からは全て詰まった秀作だと勝手に思っています。