冒険,  自然

富士山(吉田ルート)の事

まずはこの写真 ↡

 愛鷹連山(日本二百名山)の越前岳の中腹に「富士見台」という場所があります。今となっては知らない貨幣ですが、五十銭紙幣のモデルになった富士山の景色を見ることができます。裾野市商工観光課の立て看板で知りました・・。でも綺麗ですよ。必見の価値あり富士山全景です。

 2022年夏は、二回富士山に登ってきました。どちらも日帰り登山で始めは「吉田ルート」から。二度目は「富士宮ルート」からです。今回は「吉田ルート」のお話です。

登山準備です!

 ずいぶん久しぶりに富士山に行くことにしました。日にちは2022年7月8日(金)です。この日は吉田ルート以外はまだ山開きをしていない期間で、普段はバス又はタクシーでしか行くことのできない5合目登山口まで、期間限定で自家用車で行くことができる特別な日になっています。

 前日から準備(前日では遅いのかも知れませんが・・)をします。まずはリュックに500mlのペットボトルを3本、大好きなカロリーメイトと一口サラミ、飴とおにぎり(サケと梅)2個を詰め込みます。肌寒くなるのでレインコートにもなる長袖とタオルを2枚。着替え(シャツとか靴下)は一応車に入れておきました。

 5合目登山口まで車で行けるので何かと便利で気が楽です。その後、念のためスマホで吉田口までの車のルートを確認しておきました。

まさかの車で迷子・・!

 早朝4時に家を出ました。吉田口まで車で1時間ちょっとで行ける予定でした。着いたら身支度をして6時からの登山に備えるつもりで計算したのです。眠気を我慢しながら暗闇の中を走ります。ナビはスマホです。

 誤算は東富士五湖道路(有料)富士吉田I.Cを出てからのことでした。本来なら苦も無く富士スバルラインに入って吉田口までスイスイ行けるはずなのですが、何とスマホナビが乱心したのか、事もあろうに旧道の道路を案内してくれたのです。明るければ間違えなかったと思いますが、時間的にはまだ真っ暗で、街灯はほとんどなく、わけもわからず山に入っていきます。

 道は狭く1車線、両サイドはうっそうとした森(樹海?)で周りには車など走っていません。しばらくナビの言うことを信じて走ったのですが、狭い道に鹿さんがウヨウヨ出現してきて怖いのなんの・・。絶対に違う、と確信して狭く暗いなか、何とかUターンする場所を見つけて(この時も鹿さんが3~4頭邪魔していました)引き返しました。

 引き返して走る途中も眼だけが光って見える動物が大きいのから小さいのまで道路に出てきていて、轢かないように、ぶつからないように、とそればかり気になってしまいました。何とか大きい道路まで出てから車のナビで道路を確認したのですが、スマホとは違ってちゃんと広い道を通って導いてくれました。残念ながら富士スバルラインを走っている最中にすっかり明るくなり、早くも時間的な登山計画が頓挫したのでした。

やっと吉田口から登山開始!

 正直言って、スバルラインも誰も走っていませんでした。きっと早朝から登る方々にとっては自分は遅刻者だったんだと思います。それでも駐車場で人を見かけた時は嬉しかった・・。ホッとしました。

 遅れを挽回するために、さっさと身支度をして登山開始です。まずはトイレに寄って、それからガイドさんに環境保全金の千円をお渡しして出発です。時刻は7時過ぎ位でした。

空いています!

 登山道に入ると、あまりの空き具合に驚きました。吉田口だけ先行開山している期間だったので、もう少し混むのではないかと想像していたのですが意外でした。でも混雑よりはずっといいです。快適な道中になりそうです。

 車での道迷いのことなど早くも忘れ、ワクワクしながらザクザク登りだしました。服装は半袖シャツにユニクロの薄手のウエアを羽織ってワークマンのパンツを履いています。靴は重くないトレッキングシューズです。

 「よし、身軽で寒くもなく万全だ」と思ったのが大間違いであったことに後々気づくことになるのですが・・。

順調に進みます!

 おかげさまで順調にザクザク進み、7合目を越えたころから登山中の方々に出会うようになりました。この辺りで気付いたのですが、日帰り登山、というものがあまり好まれていないのかも知れません。

 今は山小屋も基本的には準備中で宿泊はできません。つまりご来光が拝めない富士登山しかできないのです。だから空いているのかな、とそんなことを考えながら上を目指します。

八合目富士山天拝宮

 なんだかんだで八合目、富士山天拝宮のある標高3250mまでやってきました。ここまでは順調で、もはや半袖になっています。頭にはタオルを巻いて張り切っています。

 この八合目、富士山天拝宮ですが、本来はしっかりとお参りしたい神聖な場所になります。ちゃんと階段を上がってタオルを外してお参りしました。あとは休憩、お水を飲んでカロリーメイトを1本食べて終了です。体調は万全の様子なのでドンドン先に進みます。

着いたよー!

 途中に雪だまりがありました。あれは万年雪なのかぁと思いながら、半袖でずんずん登りました。風も心地よいくらいで寒くはなかったです。ただ日差しが痛いくらいであったのは間違いありません。

 これが要注意だったのですが、この時は気付きませんでした・・。いよいよ山頂の鳥居が見えてきました。ずいぶん前から見えてはいたのですがなかなかたどり着かず、やっと目の前までやってきたのです。

 山頂付近でも人影はまばらのままでした。鳥居をくぐり山頂に到達します。ここには浅間大社の奥宮の石碑があるのですが、残念ながら神社は「準備中」でした。外からそっとお参りしておきました。御朱印欲しかったのでまた来るしかないなぁと思いながら・・。

 下界の景色はいかがなものかというと雲だらけで何も見えませんでした。剣ヶ峰まで行きたかったのですが、こちらもやはり通行できないようになっていてお鉢巡りの山道は閉鎖中でした。閉鎖しておかないと他の登山道から下りることができちゃうからだと思います。時刻は11時過ぎ位です。お昼の時間なのでご飯を食べて帰ることにしました。

下山はきつい!

 体力的には余裕がありました。ご飯も食べて元気モリモリです。さくさく帰るつもりで山頂滞在時間は30分程で下山開始です。下山コースは途中から登りの登山道と分岐して専用のコースを辿ります。きっと混雑回避が目的なのですが、この日はそもそも人がいません。

 それでも分岐コースは設置されていて、ガイドさんが「ここからこちらの道ですよ」と案内してくれました。相変わらず半袖にタオルを頭に巻いて元気いっぱいでしたが、ここから急速にペースダウンしてしまいました。なぜかというと、足元が滑るんです。

 細かい溶岩石が浅く敷き詰められているような道なので、トレッキングシューズが滑ってしまうのです。転びたくないので慎重に歩いていると膝が痛み出しました。しかもつづら折りの下山コースで角を曲がっても曲がっても同じような道と景色の連続です。

 下山中に疲労で動けなくなり救助を要請、というニュースを目にしますが、体力が落ちているときは確かに厳しい道のりだと思いました。現に何人かの方がぐったりと座り込んでいて足を介抱していました。とても辛そうに足をかばいながら歩いている方も見かけました。

 登りでは見なかった光景でした。2時過ぎくらいに5合目に戻ってきました。トイレに寄って車に戻ると日差しのせいか、車内が異常な暑さになっていました。一応用意していた着替えも面倒だったのでそのまま帰りました。とても満足してご機嫌なままに・・・。

日差しは要注意!

 事件は家に戻ってシャワーを浴びているときに発覚しました。「日焼け」です。半袖で通した腕は真っ赤になってシャワーの勢いで痛みます。顔もひどい状態で鏡に映すとタオルを被ったおでこだけ色が違っていました。やはりシャワーで痛みが走り、目も腫れていました。

 「大失敗です!」登山準備のためにHPを見ていたら、帽子、長袖、サングラス、と書いてありました。「いらないでしょ」と勝手に決め込み無視していました。今だから言えます。「帽子、日焼け止め、長袖、できたらサングラス」絶対に忘れないでください。自分は手遅れですので・・。

 その後、日焼けのせいで顔の皮も腕の皮も剥けはじめ、何と唇までもがただれて血がでてしまいました。仕方なく皮膚科に行ってお薬をもらい、「ダメじゃん」とお医者さんに言われてうなだれて、完治まで約3週間はかかってしまいました。皆さんはくれぐれも日焼け対策を忘れないよう気をつけてください。

Rogueだけど冒険と自然と本が大好きなHunter&Writer