愛鷹山の事
静岡県東部に広がる愛鷹山塊
静岡県の東部、富士山南側に広がる標高1000m~1500m位の山塊、これが愛鷹山塊です。静岡県東部地区の東名高速道路や国道1号線、246号線などの幹線道路から富士山を眺めると手前側(海側)に広がって見えます。
実はこの山塊はピークが9つ(黒岳、越前岳、呼子岳、鋸岳、(蓬莱山)、位牌岳、前岳、袴腰岳、大岳、愛鷹山)からなる立派な連山で、別名は愛鷹連峰とも呼ばれています。愛鷹山はその中で最も南側に鎮座し、沼津市の最高峰(1187m)です。
ちなみに愛鷹山塊の最高峰は越前岳(1504m)で、登山道の整備も行き届き、多くの登山客に愛されています。山塊の中には蓬莱山という山もあるのですが、これはどうやらピークに数えられてはいないようです。
誤解されやすい愛鷹山
勝手な見解ですが、愛鷹山は誤解されやすい山だと思います。なぜかと言うと、まずはその正確な位置と名前が誤解されています。
位置は山塊の一番南端になりますが、遺憾ながら標高は山塊の中でも下から2番目に低いということで、ひいき目で見ても沼津市からでないと目立ちません。
最高峰の越前岳が愛鷹山だと思われている方が多くいます。越前岳の位置は山塊北側の裾野市で、富士市や裾野市から全体を眺めると、愛鷹山と対比して山塊の両端にそれぞれ位置しています。
一般的には愛鷹山塊、愛鷹連山、愛鷹連峰などと呼ばれるため、あくまで総称としての「愛鷹山」なのであえてこだわることもないのですが、一応大好きな山なので誤解のないように言ってみました。
余談として、ジブリ映画の名作「もののけ姫」が公開された後、ほぼ主人公の「アシタカ」の名前がこの愛鷹山からとったものでは・・という話がありましたが、残念ながらそれも誤解なのでした。
景色について
一度、素敵な景色を見ました。ピークに到達する前に、いわゆる馬の背のような尾根があります。その尾根から少し進んだところで霧がみるみる出てきて急に肌寒くなってきました。その時ふと開けた場所から下の谷間を覗いてみたら、まるで波のように粛々と真っ白な霧が谷間に押し寄せてきて幻想的な光景を見せてくれました。写真技術が足りなくてうまく収めることができなかったのですが、それはそれは印象的な光景でした。
この4枚がその時の写真です。時間にして2~3分しかたっていない間の出来事でした。4枚目の頃には、今立っている場所も覆われてしまうのではとかなりビビりながら撮っています。
幸い、谷間を覆いつくして止まったので、登山中の視界は確保されました。もっと写真の技術を高めたいと思いました。
馬の背の景色
霧の景色とは別に、晴れた日の馬の背からの眺めが素晴らしい、と勝手に思っています。単に視界が開けるとか街がよく見えるとかではなくて、これもノスタルジックな印象的な眺めだと思います。
強風と酸性雨の影響なのか、そこそこ立派な木が数本折れて立っています。強風にさらされながらも成長し、ドンと立派に立っていたであろうに・・。低木に囲まれた急峻な登山道を抜けるといきなりこの景色が開けます。
どの山もそうなのですが、尾根に出て景色が開けた時が一番感動する瞬間だと思います。様々な素敵な景観を見せてくれる愛鷹山塊。これから他の山々も勝手にどんどん紹介したいと思っています。