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子供に読ませたい冒険者たち・ガンバ

冒険者たち・ガンバと15ひきの仲間

 「ガンバ ガンバ ガンガンガンバ なみがおどるよガンバ すいへいせんだよガンバ ガンバガンバ ガンバとなかまたち・・。」あまりにも有名な主題歌です。 

 テレビアニメでは「ガンバの冒険」として1975年に日本テレビ系列で放送されました。瞬く間に大人気作品となり、1984年には劇場アニメ化、2015年にも3DCGアニメとして「GAMBA ガンバと仲間たち」が公開されました。

 残念ながら2015年版はヒットはしませんでしたが、「冒険者たち・ガンバと15ひきの仲間」が不朽の名作であることに間違いありません。

本からでもアニメからでも入りやすい

 「冒険者たち・ガンバと15ひきの仲間」は児童文学作家、斎藤惇夫氏が執筆、1972年に初版が刊行され、現在は岩波書店から発売されています。

 小学校に入学したら読んでほしい本ですが、なかなか本を読む習慣がない、本よりも画像、という場合には、アニメから入って面白さに触れ、その後興味を持ったら本に帰属する、というのも方法です。

冒険者たちのバラード

 アニメのエンディング曲も有名ですね。「さかまくなみとひらめくそらが ガンバとなかまをうちのめす・・。」という歌です。

 この歌は一番だけ聞くととっても暗くなるんですよね・・。でも、二番の歌詞までを聞くと、初めて勝機が見えて希望が持てるようになります。そう、ガンバたちはとてつもなく強大な敵、イタチの「ノロイ」一族に立ち向かっていくのです。この歌詞は絶望的な状況からでも決してあきらめずに戦いを挑む冒険者たちを見事に表現しています。

「ノロイ」怖すぎます・・

 そもそも町で暮らしていたガンバたちは、別にイタチと戦う必要はありませんでした。たまたま町で行われていたネズミたちの宴に参加していたら、そこに島ネズミの忠太が血だらけで助けを求めにやってきたのです。

 島がイタチのノロイ一族によって占拠され、島ネズミは皆殺しの危機に瀕している、そういう忠太の話を聞いて、単身助けを求めて海を渡ってきた忠太に心を動かされたガンバは、その宴で出会った勇敢な仲間(アニメでは仲間が7ひき)とともに海を渡り、島ネズミを助けに向かうという・・というお話です。

 ただ、ただ、ただ、そこで登場してくるイタチのノロイ、これが怖すぎます。(アニメの話ですが)普通のイタチの3倍・・という巨大な体に、目が赤く、不思議な催眠術のような技も使います。かしこく残忍で殺戮そのものを楽しむ残虐性は数多くの悪役達の中でも群を抜いて恐ろしく描かれていると思います。

 普通に考えればネズミがイタチに勝てるわけもなく、さらにノロイが相手となってはどう戦えばいいのかすらわかりません。その絶望的な状況もノロイの怖さを引き立てているんでしょうね。

本の表紙の救世主オオミズナギドリ

 ノロイの策略に翻弄されながら、それでもガンバと仲間たちは島ネズミを率いてイタチの一族と戦い続けます。そんな中、同じ島で暮らしていたオオミズナギドリのリーダーと知り合ったガンバは、オオミズナギドリもノロイの一族に家族や仲間を殺されていることを知ります。

 ガンバは最終決戦の場所を海と決め、オオミズナギドリの加勢を取り付けてノロイ一族と最後の戦いに臨みます・・。なんてワクワクドキドキ、胸が熱くなるお話でしょう・・。この本とアニメに出会えたことに感謝です。初めからあきらめない心、困った人を助ける勇気、仲間との信頼、友情、大事なことがたくさん詰まっています。

Rogueだけど冒険と自然と本が大好きなHunter&Writer